風は囁く「君と輝きたいから」
安坂さんを見つめる、緒方さんの顔がむくれている。


「天然っていうのは……どうかと思いますが、SKY(スーパー空気読めない)なのは認めます」


「だろう。……ってお前も結構、天然だよな。
『届かないなら届くまで追ってこい』なんて、愛の告白。普通はしないよな」


「あ、愛の……!?」

照れて紅くなっている周桜くんの隣で、緒方さんが紅く頬を染めて、首を傾げている。


「えーーー!? 郁、まさか……」


「き、気づいてないならいいです!! 言わなくていいです」

周桜くんは、ガタンと音を立て慌てて立ち上がり、安坂さんの口を手で塞いだ。

周桜くんの慌てようが、全てを語っていた。

周桜くんの「追いかけてこい」が、緒方さんへの気持ちだって、思い知られた。

「緒方が好きだ」って気持ちが溢れていた。

悔しさが、じわりじわりとこみ上げてくる。

「わたしだって、周桜くんが好き」って叫びたかった。

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