風は囁く「君と輝きたいから」
「ずいぶんだな」と思いながら、様子を見守る。

開演の合図から順を追って照明、曲目、立ち位置、出入り等、大まかに説明していく。

「モニタースクリーンがバーミリオンから徐々に夜空に変わっていく、ライトプランニングだ」

実際に詩月さんに関係があるのは後半の最後一曲からだが、詩月さんは面倒くさいという素振りも急かす様子も見せず、熱心に聞いている。

「Tシャツにジーパン、ローラースケートを履き舞台上手から花道まで疾走しながらMilkyway Paradaisを歌い舞台中央に戻ってくる。ローラースケートを脱ぎ舞台中央から昴が君に呼びかけ、君が立ち上がると同時に単サスが君を照らす。君は舞台中央に歩いてくれ。フォロースポットが君を追う。後半のラスト一曲前だ。四人が定位置に楽器を持ちスタンバイしたら『Jupiter』を弾く。君の立ち位置はここだ」


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