風は囁く「君と輝きたいから」
詩月さんの中学、高校の学習ノートとテストのヤマを張った解析ノートは、丁寧で解りやすく、俺だけでなく空にも昴にも大いに役立った。

俺は一回目のテストで、ビリから一気に七十番も順位を上げた。

更にコンサート後、二回目のテストでは上位百番に食い込む快挙を成し遂げた。高校二年生にして俺は今、初めて勉強する楽しさを感じている。

それから俺は詩月さんからご褒美にもらった、学問の神様として祀られている菅原道真の御守りを肌身離さず身につけている。

 七月半ば。

 安坂さんから、詩月さんが「大学に纏わるヴァイオリンロマンスの条件をクリアした」というメールをもらった。

 大学正門。

後ろ向きになり、数メートル離れた円形の端から、女神像ヴァイオリンのf字孔に銀貨を投げ入れ、更に裏門の男神像、竪琴のf字孔に銀貨を投げ入れる。


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