風は囁く「君と輝きたいから」
「体は大丈夫なのか? 留学の許可は……」


「ん……一応許可はもらってます。幾つか条件付きですが」


「良かったな。許可も出て目標も定まってるなら、迷う必要はないだろう」


安坂さんの言葉に、周桜くんの顔が曇る。


「迷ってるのは……」


「体力か?」


「いえ、そうではなくて……その、怖いんです」


「怖い!?」


「今でさえ、普通に生活することが不安なのに、異国の知らない土地で、知り合いもいないし、気候や風土、環境も風習も違う……体がついていけるのかって……」


「知らない土地、風習、環境とか……それは誰でも不安なんじゃないか?
主治医が条件付きでも留学を許可してるなら、決意しても」

周桜くんは、安坂さんの言葉に耳を傾ける。

真剣な瞳が射るように、安坂さんを見つめていて、周桜くんの不安が痛いほど伝わってくるようだ。

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