風は囁く「君と輝きたいから」
「わかった」
周桜くんは頬の火照りを気にしながら、会計を済ませ、モルダウを出る。
窓越しに見える周桜くんの姿を見送る。
岩舘さんは、安坂さんの向かいの席に座りなおす。
「貢。あいつの留学条件な、実際かなり厳しいんだ」
「ん……わかってる。周桜が2年前、屋上で弾いていたヴァイオリンの調べ『タイスの瞑想曲』を思い出した。
編入試験に弾いた曲だって言いながら、目を真っ赤にして弾いていた。
だけど、今度は諦めてほしくないよな」
「そうだな。あんなに頑張ってるんだ……叶えてほしいな」
「周桜なら叶えるよ、あいつならきっとな」
安坂さんが穏やかに、染々と言う。
「貢、お前は挑戦しないのか、国際コンクール?」
「準備はしてる。……来年には必ず」
「触発されたか、詩月に」
周桜くんは頬の火照りを気にしながら、会計を済ませ、モルダウを出る。
窓越しに見える周桜くんの姿を見送る。
岩舘さんは、安坂さんの向かいの席に座りなおす。
「貢。あいつの留学条件な、実際かなり厳しいんだ」
「ん……わかってる。周桜が2年前、屋上で弾いていたヴァイオリンの調べ『タイスの瞑想曲』を思い出した。
編入試験に弾いた曲だって言いながら、目を真っ赤にして弾いていた。
だけど、今度は諦めてほしくないよな」
「そうだな。あんなに頑張ってるんだ……叶えてほしいな」
「周桜なら叶えるよ、あいつならきっとな」
安坂さんが穏やかに、染々と言う。
「貢、お前は挑戦しないのか、国際コンクール?」
「準備はしてる。……来年には必ず」
「触発されたか、詩月に」