風は囁く「君と輝きたいから」
僕の十八番でもあり、師匠の十八番でもある曲。
渾身の思いを込めて奏でる。

公園内に散らばっていた人々が、僕の周りに集まる。


「あっ!! Xceon(エクシオン)の」

ざわめきや歓声が、しだいに大きくなっていく。

曲が「懐かしい土地の思い出」の3部「メロディ」に移る。

師匠リリィから、何度も繰返し聴かされた旋律。

エレキヴァイオリンでなく、「シレーナ」で弾きたかったと思う。

ヴァイオリンの音色を聴きつけてなのか、ゲリラライブの情報を聞きつけてなのか、海岸通り公園に人が集まり始める。

此処で、ヴァイオリンを弾くのは久しぶりだ。
忙しさや、炎天下を避けて7月初めから、演奏していない。

潮風を肌に感じて、奏でるヴァイオリンの音、爽快だなと思う。

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