風は囁く「君と輝きたいから」
碧みを帯びた大きな目を、高音を鳴らす時、数秒閉じる癖、曲の情景を思い浮かべるように、表情豊かに弾く。
巧みに、弦を押さえる細く長い指。
詩月さんのヴァイオリン演奏に、聴衆が歓声を上げている。
詩月さんは、周囲のざわめきを気にする様子もなく、ただヴァイオリン演奏に集中している。
「変わってないよね。海岸通り公園とかで演奏していた頃と同じ。ゲリラライブした時と同じ」
「何かえらい澄んで冴え渡る音色になってへん!?」
「凄いな。音楽の都ウィーンで、こんなに!?」
俺は「言葉なんていらない」って思う。
詩月さんは健在だって。
「遥、画像のURL送ってや」
「おう、この曲ってさ。詩月さんがくれた楽譜ファイルの最後にある曲だよね」
俺は、スマホを操作しながら、言ってみる。
巧みに、弦を押さえる細く長い指。
詩月さんのヴァイオリン演奏に、聴衆が歓声を上げている。
詩月さんは、周囲のざわめきを気にする様子もなく、ただヴァイオリン演奏に集中している。
「変わってないよね。海岸通り公園とかで演奏していた頃と同じ。ゲリラライブした時と同じ」
「何かえらい澄んで冴え渡る音色になってへん!?」
「凄いな。音楽の都ウィーンで、こんなに!?」
俺は「言葉なんていらない」って思う。
詩月さんは健在だって。
「遥、画像のURL送ってや」
「おう、この曲ってさ。詩月さんがくれた楽譜ファイルの最後にある曲だよね」
俺は、スマホを操作しながら、言ってみる。