風は囁く「君と輝きたいから」

「周桜さんがヴァイオリンのソロと、ピアノとヴァイオリンパートの演奏を弾いてるらしい」


俺のシュンとしたテンションが、一気にアップする。


「楽しみ～っ」


「バカたな。金管楽器バージョンの演奏してるの大学オケの精鋭メンバーだよ」


「ん……!?」


「あのめっちゃ凄い金管楽器演奏で、ヴァイオリンロマンス演奏やねんで。僕らめっちゃめちゃ頑張らな……」


「頑張ればいいじゃん。あの演奏に、肩を並べられるくらい演奏できるように、しっかり練習すればいいじゃん」


「簡単に言うよな～」


「だって、詩月さんが言ってたじゃん。『君たちなら、きっと演奏できるようになる』って。『いつか一緒に演奏しよう』って」


「普通に頑張ってできるほど簡単にはいかねん」


「大きな目標があっていいじゃん。詩月さんが、僕たちを信じてくれてるんだから」