風は囁く「君と輝きたいから」
「何を熱うなってんねん。たかがBGM、オマケや。CMのメインちゃうんねん。アホちゃうか」

昴がガラス越しの周桜さんを睨んでぼやく。

「プロの演奏家を断ってまでも、演奏するチャンスをもらっているのに。そのプロから、こいつらに演らせて良かった、任せて良かった、こいつらには敵わないと感動させる『Jupiter』を演奏しないで、OKなんてありえません」

「ほお……驚いたな。周桜Jr. だと言うから、どうせ親の七光りのガキだと思っていたのに」

音楽プロデューサーが、そう言い終えないうちに周桜さんの目が凍てつき、音楽プロデューサーを睨んでいた。

「周桜Jr.と呼ぶな」

周桜さんはポツリと呟いた。

「これが精一杯だという全力のアンサンブル演奏をしたいんだ」
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