風は囁く「君と輝きたいから」
俺には一瞬、周桜さんが泣きそうな顔をしたように思えたが、周桜さんはそれすらも気のせいだと否定する迫力だった。
周桜さんは金管楽器のメンバー3人に向かい、爽やかに笑って頭を下げた。
「あれが周桜詩月だ」
いつから、そこにいたのか気づかなかった。
CMプロデューサーが、ガラス越しの周桜さんを真剣な顔で見つめながら、俺たちに話しかけた。
「Nフィルでの練習も、団員が満足気でも、指揮者がOKを出しても、彼が納得しないそうだ。昨秋、契約直後のコンサートでのリハーサルでは、彼が怒鳴ったらしい。『貴方たちはそれでもプロの演奏家なのか? こんな魂のこもらない演奏で観客を感動させられると思っているのか?』とね」
「やる~っ!」
俺は思わず口笛を吹いた。
「納得がいかなければ納得のいくまで妥協しない。Nフィル内では、それが生意気だと随分、叩かれていると聞く」
周桜さんは金管楽器のメンバー3人に向かい、爽やかに笑って頭を下げた。
「あれが周桜詩月だ」
いつから、そこにいたのか気づかなかった。
CMプロデューサーが、ガラス越しの周桜さんを真剣な顔で見つめながら、俺たちに話しかけた。
「Nフィルでの練習も、団員が満足気でも、指揮者がOKを出しても、彼が納得しないそうだ。昨秋、契約直後のコンサートでのリハーサルでは、彼が怒鳴ったらしい。『貴方たちはそれでもプロの演奏家なのか? こんな魂のこもらない演奏で観客を感動させられると思っているのか?』とね」
「やる~っ!」
俺は思わず口笛を吹いた。
「納得がいかなければ納得のいくまで妥協しない。Nフィル内では、それが生意気だと随分、叩かれていると聞く」