風は囁く「君と輝きたいから」
俺たちのホームページはコラボ決定から数日で、アクセス数がとんでもない数になった。

 周桜詩月との顔合わせから数日後。

 俺は慌ただしく通路をバタバタと鳴らし、ダンスレッスンのスタジオに駆け込んだ。

「ヤバイよ~。あの人めちゃくちゃスゴい人だーっ」

 レッスン間際だ。

ストレッチを開始していなければならない時間だった。

俺の持ち込んだ「周桜詩月」の情報は、頭が真っ白になるくらい衝撃的なものだった。

「周桜宗月、何もんやねん?」

(はるか)、お前はホント騒々しいな。『周桜宗月』は天才と言われてるピアニストだよ。ピアノを習っていた時に聞いた」

「へぇ~、周桜Jr.か」

「はあ? アホくさ。天才ピアニストJr.が何でアイドルグループとコラボやねん!? 話題作りのための小細工なん」

「うわぁ~、何か別人だな。あの人、こんなに大人びていた?」

 (そら)がポスターを見るなり興奮気味に言う。
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