風は囁く「君と輝きたいから」
空が昴の手からスマホを取り上げ、メールを打つ。

空は送信し、昴にスマホを突き返した。


――お疲れ様。体、大丈夫?
「Jupiter」すごく良かったよ。
メール、ありがとう。
明日はよろしくね

地震の時は大丈夫だったよ

       昴、遥、空



昴と一緒に、空が送ったメールを読み、胸がつまった。

「イカれてるのはお前だ。あの『Jupiter』がどれだけCMに大事かわかっているのか? 倒れるくらい一生懸命に完璧な演奏してくれたんだぞ。なのに、すまないなんて言わせたままなんて、イヤだから。周桜さんとは笑って仕事をしたいから」

空の言葉に胸が熱くなり、言葉が出なかった。

一生懸命な周桜さんが「Jupiter」の演奏に託した心まで考えていなかった。

俺はあの「Jupiter」を聴くまで、心の何処かで「たかがCMのBGMだ」と思っていた。
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