風は囁く「君と輝きたいから」
「俺、周桜さんに体力半分あげても大丈夫だよ」
「気持ちだけもらっておく。遥、試験のヤマくらいなら張ってやろうか? 中学のノートも高校のノートも全科目、仕舞ってある。勉強はしっかりやっておくべきだ。でなきゃ、いい俳優や歌手にはなれないし、いい仕事は回ってこない」
もし、周桜さんが一所懸命に本気の演奏をしているところを見ていなかったら、素直に聞けない話だ。
「台本も歌も、難しい言い回しや漢字がある。その意味がちゃんと理解できなきゃ、役になりきれないし、感情をこめて歌えない。毎回どういう意味? どう読む? 誰かに聞くのは簡単だが、自分で理解したほうがいい。人にメッセージを伝える仕事をしていくんだから」
俺は桃香さんに言われたとしても、きっと素直に聞けなかったと思う。
「何やねん、偉そうに」
昴はボソッと呟いたけれど、その顔に険しさはなかった。
「授業に出なくても勉強できるかな」
「気持ちだけもらっておく。遥、試験のヤマくらいなら張ってやろうか? 中学のノートも高校のノートも全科目、仕舞ってある。勉強はしっかりやっておくべきだ。でなきゃ、いい俳優や歌手にはなれないし、いい仕事は回ってこない」
もし、周桜さんが一所懸命に本気の演奏をしているところを見ていなかったら、素直に聞けない話だ。
「台本も歌も、難しい言い回しや漢字がある。その意味がちゃんと理解できなきゃ、役になりきれないし、感情をこめて歌えない。毎回どういう意味? どう読む? 誰かに聞くのは簡単だが、自分で理解したほうがいい。人にメッセージを伝える仕事をしていくんだから」
俺は桃香さんに言われたとしても、きっと素直に聞けなかったと思う。
「何やねん、偉そうに」
昴はボソッと呟いたけれど、その顔に険しさはなかった。
「授業に出なくても勉強できるかな」