風は囁く「君と輝きたいから」
安坂さんは「俺はアナログ人間で、詩月さんの体が弱い理由は詳しく知らない」と聞いたはずだが、返信が速いと思ったし、やけに様子を詳しく訊ねたなと思った。
誰かと一緒にいるのか? と思いながら、スマホを仕舞うと「遥、どうだった?」と桃香さんが訊ねた。
「横浜駅に近くなったら連絡してって。それから熱はないか? って」
「どうなの、熱はあるの?」
詩月さんの額に手を当てると、着替えをしていた時よりも熱かった。
「……熱っ。38℃っていうかな」
「救急箱に冷却シートが入っているかしら? 貼っておいて」
桃香さんに言われるまま、空が後ろの席から冷却シートを俺の席にポトリ落とした。
俺はそれを手に取り、詩月さんの額にピタリ貼りつける。
「弱っ、どんだけ弱いねん」
誰かと一緒にいるのか? と思いながら、スマホを仕舞うと「遥、どうだった?」と桃香さんが訊ねた。
「横浜駅に近くなったら連絡してって。それから熱はないか? って」
「どうなの、熱はあるの?」
詩月さんの額に手を当てると、着替えをしていた時よりも熱かった。
「……熱っ。38℃っていうかな」
「救急箱に冷却シートが入っているかしら? 貼っておいて」
桃香さんに言われるまま、空が後ろの席から冷却シートを俺の席にポトリ落とした。
俺はそれを手に取り、詩月さんの額にピタリ貼りつける。
「弱っ、どんだけ弱いねん」