風は囁く「君と輝きたいから」
俺があたふたしていると、昴と空が「虐められる夢でも見てるのか」と暢気に言う。
桃香さんが「フゥ~」と大きなため息をつく。
「遥、ギュッと抱きしめてヨシヨシしてごらん。、お母さんにしてもらった時を思い出して。どうやらローレライという、半端なく恐い怪物にうなされているようだから」
俺は唖然とし、詩月さんをギュッと抱きしめ「大丈夫だから」と声をかけ、ヨシヨシと背を擦る。
詩月さんの澄まし顔や真剣な顔、軟らかく微笑む顔ばかり見ていたのに、夢にうなされしがみついている様子が、まるで子供で可愛いと思った。
でも、「ローレライ」が何なのかと思う。
詩月さんがしがみつき怯えていた本当の理由、詩月さんが何を抱え、何を悩んでいるのか、何に耐えているのか、俺には何もわからなかった。
車が神奈川県に入り、俺は安坂さんに再びメールを入れた。
ローレライのことは一応伝えたが、安坂さんは「わかった」と素っ気ない返事だった。
桃香さんが「フゥ~」と大きなため息をつく。
「遥、ギュッと抱きしめてヨシヨシしてごらん。、お母さんにしてもらった時を思い出して。どうやらローレライという、半端なく恐い怪物にうなされているようだから」
俺は唖然とし、詩月さんをギュッと抱きしめ「大丈夫だから」と声をかけ、ヨシヨシと背を擦る。
詩月さんの澄まし顔や真剣な顔、軟らかく微笑む顔ばかり見ていたのに、夢にうなされしがみついている様子が、まるで子供で可愛いと思った。
でも、「ローレライ」が何なのかと思う。
詩月さんがしがみつき怯えていた本当の理由、詩月さんが何を抱え、何を悩んでいるのか、何に耐えているのか、俺には何もわからなかった。
車が神奈川県に入り、俺は安坂さんに再びメールを入れた。
ローレライのことは一応伝えたが、安坂さんは「わかった」と素っ気ない返事だった。