期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
へっ…?
一目惚れ?
「もう一度会えないかな?ってずっと思ってた。
好きだよちょこ。」
愛らしい笑顔をくれた。
生まれて初めて告白されたのに
私は今
告白してくれたお兄さんの偽りの婚約者をやっていて
そんで知らないうちに処女喪失しちゃってて
てか、千秋君…
普通は告白して、両思いになってからやることやるよね?
いや、それは若社長にも言える。
2人、やっぱ兄弟だわ…。
「頭ん中パニック…」
脱力して動けなくなった私を千秋君はマンションの前まで送ってくれた。
「兄さんに返すつもりで送ったわけじゃないから」
「へっ?」
「ちょこを困らせたくないから送っただけ。
告白のこと、忘れないでね」
そう言って手をひらひらさせてつかまえたタクシーに乗り込む。
いや、私、充分すぎるほど困ってますから…。