期間婚〜彼と私の微糖な関係〜

「この期間に千秋君と一晩共に過ごした事は謝ります‼

でも何がいけないの⁉」

「そうなんだ?やっぱり千秋と寝たんだ⁈」

「ええ、認めるわよ‼寝ましたよ‼寝たわよ‼それも知らないうちにねっ‼」

手に持っていたハンドバッグを投げつけたつもりが

バッグは思い切り目標を外して壁にぶつかって落ちた。

「知らないうちに寝るってどういう状況だよ⁈」

「知らないものは知らないわよ‼目が覚めたら裸で…っ」

言いながら

大粒の涙がぼとぼと落ちていく。

「隣に千秋君が寝てて…っ‼

私だってよくわかんないのよ!

わかんないで…っ

恋人でもない相手と…っ」


気がつけば

若社長は静かに私の話しを聞いていた。

そしてぼたぼた落ちる涙を、その大きな手のひらで拭った。


< 113 / 189 >

この作品をシェア

pagetop