期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
「そんなことより、千秋とはそれでどうなったの…?」
また掘り返す⁈
「千秋君は私と若…千洋さんが本当に付き合ってると思い込んだうえで、好きだと言われました。」
若社長の動きが一瞬、止まる。
「それで?ちょこちゃんは…?」
「もうこの話はやめましょう」
仕返しじゃ。
若社長の表情は曇ったまま、静かにココアを飲んでいる。
「そういえば、なんでスーツなんですか?しかも皺くちゃだし
あとでクリーニングにだしにいくよ」
「探してたから…」
「えっ?」
「一晩中、君を探してたから」そう言って静かに自分の部屋へと引っ込んでいく。
探してたって…
私を?
なんのために?
本当の婚約者でもないのに…
スーツがあんなに皺くちゃになるまで
走って
息をきらして
必死に私を探すあなたを想像してしまうのは…
いけないことだろうか?
…
胸が苦しい