期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
レッドラインを越えてみたい
3度目のお見舞いを控えた前日
訃報は突然、訪れた。
もう少しで就業時間が終わる頃
鳴った外線にでたのは先輩で、その様子が少しおかしいなとおもいながら
内線に通したあと先輩は目を伏せた。
「ちょこ、今…前社長が入院している病院からの電話だった。」
「えっ?」
「家族と連絡がとれないということで会社にかけてきたみたい。今、社長質に繋いだけど…
もしかしたら…」
その後の言葉は聞かなくても想像がついた。
前社長の容態が変わったのか…
最悪の場合…
ふと、若社長の顔が頭に浮かぶ
父さんを安心させて見送りたい
父親想いのあの人は今
病院からの電話をどう受け止めているの…?
あの人のことだからきっと…
側に行って、力いっぱい抱きしめたい。
でも、できない…。
もどかしい気持ちでこの心臓が爆発してしまいそう。