期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
「兄さん、忙しいみたいで休めてないんだけど…
こっち来ないの?」
「…うん。行かない」
「そっか、可哀想だから今は兄さんにちょこを譲ってあげようかと思って電話したんだけど…
何かあった?」
「もう、若社長とは終わったから…」
そう
前社長が亡くなった
この時点で私と若社長の
期間限定の婚約は終わったんだ。
あとはもう
さよならをするだけ。
「…兄さんと別れたの?」
「そういうことかな…」
「そうだったんだ…
こんな時に不謹慎だけど、俺は嬉しいよ」
千秋君の愛らしい笑顔が浮かんだ。
「バカ…」
私の言葉に笑う彼。
その後ろから千秋君を呼ぶ若社長の声が聞こえてドキっとした。