期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
もう、あの人のそばに行く事は敵わない
ラフな格好で発泡酒を飲む彼の隣で林檎ジュースを飲みながら笑い合うこともない。
でも
それが私の普通なんだ。
あの日々は夢のよう…
そう
夢だったんだ。
そう思うしかない。
やっと、取り戻した日常はあまりにもつまらなくて
暇さえあればジムに通った
「ちょこ、さいきん元気だねー」
よっしーの言葉に「それが取り柄だから」なんて
笑っても、笑顔が疲れる。
1週間がとても長く感じた休みの前の夜
更衣室で着替えを済ませると千秋君から電話が鳴った。
「飲みにいこー」
「お酒はもうこりごりー」
「じゃあ夕飯たべにいこー」
「それならOK!」
千秋君の明るさは、今の私にとっては太陽のよう。
待ち合わせた駅に向かうとすでに到着していた彼を見つけて手を振る。
「待たせてごめんね」
「俺も今きたばっかり。洋食屋さんを予約してるんだ」
「それってお高いとこ⁉」
「俺、そんなに金ないよー。庶民のための店」
「いいね!」