期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
お店の前で別れて5分もたたないうちに千秋君からの着信。
「どうしたの?」
「忘れてもの」
「えっ?何?」
「おやすみの挨拶。
おやすみ、ちょこ、いい夢を見てね」
「ありがとう、千秋君もね!お休みなさい。」
電話を切って、また5分もたたないうちに携帯が鳴る。
今度はなんの忘れ物かな?
くすくす笑いながら電話にでる。
「今度はなんの忘れ物?」
「…ちょこちゃん」
それは、千秋君と似ているようで、全く似ていない
若社長の声だった。
「わ、若社長⁈」
思いがけない電話に声が大きくなってしまう。
「どうしたんですか⁈」
「ちょこちゃん、ごめん…側に…来てくれないか…?」
切ない声に
一瞬で淡い切なさに私の全部が支配されてしまう。
無我夢中で、気づけば若社長のマンションの前にいた。