期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
ふと、気付いたけど、若社長の自室に入るのは今が初めてだった。
ほとんどの家具が黒色に統一された暗い部屋。
こんな部屋で本当に気分が落ち着くのだろうかと不思議に思うほどだった。
火照った頬に触れると、体温の高さはあからさまだった。
起き薬もなければ頭を冷やすようなものもない。
合鍵の置き場を知っていた私は慌てて買い出しに行き
戻ってやっと、気付いた…。
若社長は綺麗好きなのに
やけに散らかったリビング。
テーブルにはたくさんの発泡酒の空き缶が散乱していて
コンビニの袋にたった1缶入っていた林檎ジュース。
いつからこんな状況だったのだろうか…
水枕を作り、部屋を片付けはじめる。