期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
部屋の匂いも
この部屋の雰囲気も
その全てが懐かしいと思えるほど、ここでの生活を遠い日々のように感じてみれば
つい、昨日のことのようにも思える。
お粥を作り終えてソファーに座り込むと
2人並んでお喋りをした
そんな、何気無いことさえ
奇跡だったのかもしれないと感じた。
私が使ってた部屋は…?
そう思い部屋に入ると、やっぱり私が出て行った時のまま、そこはガランと静まり返っていた。
殺風景なままで、それが私がもう、ここの住人ではないことを痛く知らしめた。
本当にあの日々が奇跡のように優しく温かい時間だった…。
「それより、客用の布団も無い家なんだよな…帰るしかないかな」
でも、高熱をだしたままの若社長を置いて帰るのは偲び難い。