期間婚〜彼と私の微糖な関係〜


本当の恋人になりたかった。

でも

偽りでもあなたに愛されていて

私は幸せだった。

前社長が亡くなることもなく

ずっと続けばいいと思っていた

偽りの婚約期間。

最初は本当に嫌だった

いつからか、若社長に惹かれていた。

そんな恋もあるんですね…

今は苦しいだけの片思い。


もう一度触れたくて

「気付かれないよね…?」

眠る彼にキスをした。

それはまるで

越えてはいけない一線を踏んでしまったような

悪い気を起こさせたけど

自分で自分を止められなかった。

越えたい一線と

越えてはいけない一線がある。

彼の気持ちを無視して重ねた唇

何度目かのキスは

ほろ苦い味がした。


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