期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
「この階の他の部屋は?」
辺りをキョロキョロ眺めて見ても、他の部屋らしきドアが見当たらない。
「この階には僕の部屋の1室しかないよ。」
…住む世界の違う人間の生活環境が理解できない。
中にはいると高級ホテルの一室のようなリビングが広がっていた。
すごすぎて言葉もでない。
固まったまま身動きのとれないあたしに
「あっちが君の部屋。」とリビングから向かって右側のドアを指差した。
「君の荷物は全部そこの部屋に置いてあるから」
その言葉通り、部屋のドアを開けるとそっくりそのまま中身だけを移動したようにいつもの私の部屋が広がっていた。
というよりは、断然こちらのほうが広い。
なんせ私は6畳一間のボロアパートのじゅうにんあなんだから。