期間婚〜彼と私の微糖な関係〜


会議室のドアを開けると


そこには若社長とセクシー美女が見つめあっていて

私は、見てはいけないものに遭遇してしまった。

見つめあって居た2人が抱き合って

キスをする。

若社長の彼女を見る瞳が、とても優しくて

私は硬まったまま

動けず

頬をつたう涙だけが音をたてて落ちていった。



熱のせいか

なんて目覚めの悪い夢だろう。

頬が濡れていた。



若社長は

誰とでもあんな風に抱き合って

キスをしたりするかな…。

ぼんやり天井を眺めていたら、静かに部屋のドアが開いて、心配そうな顔をした彼が来た。

「うなされてたみたいだけど、大丈夫?」

涙を拭いながら「はい」と返事だけした私にゆっくり近づいて、額に触れて熱を確かめる。

「なかなか下がらないね、水枕、取り替えるよ」そう言って立ち去ろうとした彼の手を

自分でも気付かないうちに掴んでいた。

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