期間婚〜彼と私の微糖な関係〜

「ちょこちゃん…?」

「側にいて…下さいを」

昨日と立場が逆転している。

頷いた彼は

私の隣に寝転んで、優しく頭を撫でてくれる。


この手の優しさが、不安な気持ちを消してくれる。

まるでヒーローみたいに。



若社長が好き

大好き。


「早く治るといいね。やっぱりつらそうなちょこちゃんを見てるのはツライよ。」

「すぐ、良くなります。」

「少し寒いかい?唇が震えてる…」

「ちょっとだけ」

「おいで、温めてあげるから」

そう言って

優しく抱き寄せられる。

彼の心臓の音が心地よいリズムを奏でるのが聞こえると

よりいっそう、気持ちが穏やかになる。

ツライはずなのに、

体が楽になるような気がする。


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