期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
静かに部屋を出ると、真っ正面に見えた若社長の部屋のドアが視界に入った。
同じ家の中に男がいる。
考えただけで鳥肌もんだ。
足音をたてずに、洗面所に向かい支度を整えると、次は朝食の準備にかかる。
冷蔵庫の中は…意外と食材が豊富だけど…
手にとって呆れたため息がこぼれる。
「ほとんど賞味期限がきれてるじゃん」
唯一、使えそうな卵とウィンナーで簡単に朝食を作っていると「ずいぶん早起きなんだね。」と寝癖をつけて眠たそうな若社長が部屋から出てきてドキッとした。
「お、おはようございます。」
若社長でも寝癖なんかなるんだ…。
「堅くならないでよ。やりずらい。」
「そうですよね…
…そうだよね。朝食できてますが食べますか?」