期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
「普通でいいよ。普通で。」
「買い物した領収書は必要ですか?」
それを聞いた彼は思い切り吹き出して笑う。
「旦那さんにいちいち領収書持ってくる嫁さんっているのかな?
但し書きは食費?
要らないよ。」
いや、めちゃめちゃ可笑しそうに笑ってるけど
他人からこんな多額な食費を持たされて戸惑わない奴がいるのか逆に聞きたい。
「分かりました。
…分かったよ。じゃあ期待に沿えられるかわからないけど、主婦業やってみます。」
「そう、じゃあ僕は行くね」
そう言ったあとしばらく動こうとしない彼に私は小首を傾げた。
「行ってらっしゃい…?」
それでも彼は微笑みを崩さないまま動かない。