期間婚〜彼と私の微糖な関係〜


悶々としながら6番会議室のドアをノックする。

「どうぞ…」

中からの返事が聞こえてドアノブに手をかける。

どうぞ。じゃねーよ。こっちは仕事中だっつーの。

心の中で舌をだしながらゆっくりドアを開けると

窓際に立つ男性を見つけて

あたしの背筋は凍りついた。




上野の名乗ったその人物はまさかの


若社長⁈


「お待たせして申し訳ありません。」

深く頭を下げたあたしに

若社長は「いいから、顔を上げて」と少し焦ったように言った。


何を言われるんだろうと鼓動を跳ねさせながら

ビクついた気持ちで姿勢を正し、頭を上げる。



若社長が目の前にいる。


しかも、私達以外に誰もいない会議室に…。



私、若社長に目をつけられるような何か大変なミスでもしただろうか。


< 3 / 189 >

この作品をシェア

pagetop