期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
薄着にご用心。
若社長の偽り奥さんになって5日目
春の終わりに突然の猛暑日。
初夏とも言えない気温の上昇に朝から私は制服のブレザーがなくて大騒ぎをしていた。
「ちょこちゃん大丈夫?」
部屋の向こうから心配そうな若社長の声が聞こえてくる。
「社長ー!どうしよう夏のブレザーが見当たらない‼」
静かにドアが開いてくすくす彼の笑い顔がのぞく。
「こんな日に冬のジャケットじゃ体調を崩しちゃうね。
特に会社のロビーはエアコンを弱くしてるし。
ブラウスだけでも規則の違反にはならないよ?」
「そっか…そうですよね!今日は仕方ないブラウスでやり過ごそうかな。」
「そうするといいよ。会社の看板の受付嬢が顔色悪かったら困るし。
あと、敬語と社長呼びはやめてね」
「はーい!」
先に家を出た若社長を見送るのもなんだか慣れてきた。