期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
それにしても端整な顔立ちから真面目そうな印象を受けたけど、人懐こい人だ…。

彼は座る様子もなく私の前で世間話を続けている。


「それにしても羽田さん?色っぽいね」

私の名札をちらりと見ながら突然、わけのわからんことも口走る。


は?

何が?

どこをどう見て色っぽいになった?


「…そんなことございません」

微笑むと彼は携帯を取り出した。

「連絡先教えてよ?」

「連絡先…ですか?会社の電話番号…ですか?」

キョトンとした私に「そうじゃなくて、羽田さんの」愛らしい笑顔でとんでもないことを言ってきた。


どうしたらいいものか返事に困っていると「千秋!」

エスカレーターを下りて足早に駆け寄ってきた若社長が現れた。

「兄さん、遅いよ」

…千秋?

兄さん?


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