期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
「そういえば明日、午後の予定をあけておいてもらえないか?」
「な、なんですか?突然…。」
「午前中、ちょっと僕は仕事があるから午後に父の見舞いに行きたいと思ってるんだ。」
それはつまり…
前社長に私を婚約者として紹介したいということか…。
心構えはできていた。
それをするがためのこの生活なんだから。
「分かりました。」
すんなり了承したのが意外だったのか、若社長は拍子抜けしたように笑った。
「こんなすぐにですか‼とか言われるかと思ったけど…
もしかして早くこの生活を…」
言いかけて突然、口を噤んだ彼の言いたい事は私にも分かっていた。
早くこの生活を終わらせたい?
そう聞きたかったに違いない。