期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
頼みならさっきの内線で充分、話せるでしょーよ。
呼び出すとかありえない。
こんなに緊張させといて珈琲買って来て。とかだったらマジ殴りたい。
殴れないけど殴りたい。
なかなか切り出さない若社長に、私はもう一度尋ねた。
「頼みとは…?」
すると若社長は少し照れ臭そうにはにかんだ。
そういえばまだ30歳になりたての若社長は顔もスタイルもよくて、あの笑顔にやられちゃうー。とかそんな噂を更衣室で聞いたことがあるぞ。
そのはにかんだ顔が可愛いのは分かったから、今はそんなサービスとか要らないから早く私を解放してよ。
胃のあたりがキリキリ痛む。
この後すぐに早退したいくらいだ。