期間婚〜彼と私の微糖な関係〜

「あたし、ここだから」

マンションの前で立ち止まると、よっしーは目を見開いて大きな口をポカンと開けた。


「ちょこの友達は金持ちなんだな…」

「そう!そうなの!私達とは住む世界が違うんだよー!」

泣き真似した私によっしーも泣き真似で返す。


こんなノリが好きだ。

「本当に困ったら言えよ」

よっしーと別れて部屋に戻ると玄関に綺麗に並べられた靴を見つける。

若社長、先に帰ってたんだ?


「ただいま。」

声をかけると、むすっとした顔の若社長が出迎えてくれる。


あらあら、ご機嫌斜めね。

「何かあったんですかー?」

あからさまに機嫌が悪いからなんとなく、聞かなきゃいけないかと思って声をかけたら


< 52 / 189 >

この作品をシェア

pagetop