期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
「おかしいでしょ!」
車に戻るなり声を荒げた私に「何が?」とツラっと聞き返す。
「だって、嘘の婚約者に贈るようなプレゼントの額じゃない。」
「そうかな?気に入らなかった?」
気に入らないわけなんかない。
「そうじゃなくてっ」
「ちょこちゃん、黙って…」
そう言われてなんとなく口を閉じる。
「ちょこちゃん、婚約指輪を買うのは男にとっても一大決心なんだと思うんだ。
それは物の価値とかじゃなくて…
人生をかけたプレゼントだと思う。」
でしょ!
そうなんでしょ?
だからこそ、今買ってしまった行動のおかしさに気づいてよ。
「だから、それは…千洋さんにとって本当に大切な人のために買わなきゃいけないものだと思う…
だって私は…」