期間婚〜彼と私の微糖な関係〜

「好物で思い出したけど、僕が珈琲ゼリー好きなこと言ったことあったっけ?」

思い出したように聞いてきた。

「えっ?いや、あれは簡単なことですよ。
千洋さんがコンビニ行くと必ずその袋の中に珈琲ゼリーが見えるから」

「えっ?そんなとこまで見てるの⁈」

なんて、私を変態扱いするような言い方。


「見えちゃってるんです!」

「そっか…

うん。そうだな。

やっぱり、自分の好きな物を相手が知ってくれてるって嬉しいな」

急に可愛らしくはにかむから

思わず心臓が反応してしまう。


プライベートの若社長には私はいつも

振り回されてばかりだ。


でも

嫌じゃない。


けっこう楽しい。


それでも、寝る頃にはお互い部屋に引っ込む。


最終的にはただの同居人ということを一日の終わりに必ず思い知らされる。

< 75 / 189 >

この作品をシェア

pagetop