期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
とりあえず食事?お風呂?それとも私?
「ちょこ、あんた最近なんかいいことあった?」
隣で先輩が内線を切りながらちらっと私を見た。
「えっ?…特には…」
「なんかあんた最近、肌艶がいいんだよねー。スキンケアでも変えたの?」
「いえ…そんなこともないです。」
「まあ、もともとブスってわけじゃないけど、女っぽくなった。っていうか…
恋でもした?」
恋
そんな言葉にドキッとしてしまう。
どう答えようか迷っていると
「若社長が戻ってきたわよ」
会社の出入り口に目をやると営業部の部長と何か話しながら彼が外出から戻ってきた。
「おかえりなさいませ」
頭を下げた私たちに「ご苦労様、17時に僕宛の客人が来るから通すように」
そう言って足早にエスカレーターをのぼっていく。