期間婚〜彼と私の微糖な関係〜

「な、なに?」

あまりに真剣な目をするから思わず退いてしまった私の頭を優しく撫でる。

「昨日、夕飯用意してくれてたのにごめんね。」

「えっ?へっ?そんなこと」

「そんなことじゃないよ。せっかくちょこちゃんが作ってくれたのに。

今度からは外で済ませる時は連絡する。」

「はあ…まあ、そうしてもらえると助かるかも…」

そんなことであまりにも若社長の顔が曇るから拍子抜けしてしまった。


「じゃあ行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」

彼がいなくなってから色々と気づいた。

テーブルの上の空き缶

もしかして若社長…寝落ちした私を布団まで運んでくれた?

ってか、欲しいものなんだっけ?


確か…


私の首にリボンだとか…

そこだけハッキリ覚えているのに

それ以外の会話が思い出せない


「なにやってんのよ私はー‼」

思わず大声で叫んだ

晴れた陽の朝は

妙に昨日の思い出せない苦さだけ尾をひいていた。


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