期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
駆け足で鍵をあけると
「ただい…」ただいまを言いかけた若社長が私の姿を見て硬まった。
「おかえりなさい。」
微笑む私に
絶句の彼。
せっかく希望を叶えてやったのに
なんとまあ、好調にスベったもんだ。
「ちょこちゃん…どうしたの?それ。」
若社長の指差したのは私の首の大きなリボン。
…要望に応えたつもりだったんだけど
なんか私
間違えた感じ?
いや、もうこうなったらスルーしよう。
「おかえりなさい!食事の準備も整ってるし
お風呂の準備もできですよ
それに…」
指先でリボンにちょっと触れて見た。
こんな自分の姿が恥ずかしくて
顔が熱くなる。
「リボン…気に入らなかった?」
恥ずかしさで思わず潤んでしまった。
途端、若社長が手に持っていた鞄を床に落として
顔を真っ赤に染めた。