期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
「風呂で何かあったの?」
「頭を冷やすために冷たい水を浴びてきた」
やっぱりこの人変だ…。
ついシラけた目で見てしまう。
「それにしても…今日はすごくオシャレだね」
ダイニングテーブルに並んだ私なりに豪華な食事とキャンドルを、見て若社長の表情が穏やかになる。
「何か良いことでもあった?」
「そういうんじゃないですけど…冷めないうちに食事にしましょう?」
ワインで何かに乾杯。
初めてのんだワインは甘くない葡萄ジュースの味がした。
でも、飲んで飲めないこともない。
「ちょこちゃんは本当に料理上手だね」
「上手ではないですけど、料理は小さい頃からやってたの」
「偉いな」
「…そうするしかなかっただけですよ」