期間婚〜彼と私の微糖な関係〜
セクシー美女には敵わ無いお子ちゃま女子の揺れる恋心
若社長の期間限定の婚約者になって、早一ヶ月
前社長の二度めのお見舞いは
婚姻届の話題もなく無事に終了。
「前回、あんなに籍をいれるのを急かしていたのに
なんで今回は何も言ってこなかったんだ?」
首を傾げた若社長を私は鼻で笑う。
それは決まってる
若社長は気付かなかったのかもしれないけれど
前社長はちゃんと見ていた。
私の薬指に光る婚約指輪を見て静かに微笑んだこと
私はちゃんと気づいていた。
「私の方が千洋さんより優秀かも」なんてからかいながら駐車場を歩いていると
「千洋?」
ちょうど赤い車から降りてきた女性が、確かに若社長の名前を呼んだ。
「菜穂さん…」
若社長も少し驚いた様子で彼女に目をやる。