キラキラのカケラ
「ブォォン ブォン」

「パラリラ パラリラ~」

夜の田舎町

夜の9時を回るとほとんど人はいない。



赤い特攻服を着て背中に「天上天下唯我独尊」の文字を背負い

先頭をきって交差点の赤信号に突入する

私のお気に入りは特攻長の彼だ!


みんなが安全?に走れるように往来の車を止める。

本当はいけないことなんだけど…

勇ましい彼が眩しい

凄い爆音を響かせて夜の光をまとい風を背負って数十台の

バイクがコンビニに入って来た。





この辺りにある、暴走族のチーム「レッドボーイズ」の旗を掲げている。


「来た、来た~」


私は毎晩、風を切って走る彼らを見るのが密かな楽しみになっていた。


「バイクであんな風にぶっ飛ばしたら気持ちいいんだろうな…」


ボーッと眺める私に「お前いくつ?」


と声をかけてきたのは金髪で少しウエーブががった髪形に


赤い特攻服の上からでもわかる、痩せているけれど

しっかりと鍛えあげられた身体の男

憧れの特攻隊長に声をかけられドキッとする。


笑うと少し目尻が下がり、やさしい顔になる。


人なっつこい笑顔が私の警戒心をゆるがせた。









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