キラキラのカケラ
「16…」


憧れているけれど見た目

こんな怖そうな人に話しかけられ内心びくびくしながら

それでも精一杯突っ張って

なめられるもんかと平静を装い、ぶっきらぼうに答えた。



「1コ下か…中ボーかと思った」


童顔で背の低い私はよく中学生に間違われる。

だから、ポリシーは絶対にヒールのある靴を履く!

しかも7㎝以上限定だ。


だから童顔のことは私にとって一番言われたくないことだ。


ちょっとムッとしてその場から離れようとした私に


「名前は?」

「キラ」

「お前、毎日ここにいるじゃん。家出少女?」

男の問いかけに、キラは首を横に振る。

家はある。

ただ、居場所がないだけ。

なんて、言って見ず知らずの男に笑われるのも嫌だ。



「こんなとこにいると悪い奴らに捕まるぞ」

ガォ~っとおどけてキラを襲うふりをする。

整った顔が狼の顔になった。

こんな怖そうな人がおどけてみせるなんて、思いもしなかったキラは、

思わず「プッ」っと吹き出した。


「悪い奴らってあんた?」

クスクス笑いながらキラが冗談を言うと

「アタリ~!!」

と言いながら、キラを自分の肩に抱き上げた。

「キャアァァァァッ!!?」

「ななな何するの??離して!!」



ヤバイヤバイ!


いくら私好みの笑顔を見せるからって



こんな奴らに捕まったら何されるか解らない。

必死で足をバタつかせ、両手で彼の肩を叩いた。








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