夢色約束
私はボーっと空を見上げていた。
紅く、カラスが飛んでいたはずの空は気づいた時にはもうすっかりと色が変わっていた。
私、何時間こうしてたんだろう……
ピルルルル ピルルルル
ビクッ
突然鳴った着信音に思わずブランコから飛び降りる。
「…光?」
…!!!!
まずい!!
ピッ
「もしも…」
「なにやってんだ!!!!!」
『もしもし』すら言わせてもらえず聞こえてきたのは光の怒鳴り声。
「どこにいるんだよ!!こんな時間まで何やってんだよ!!なんで家にいないんだよ!!」
えーと、光さん。
話させてください…。
そんな事を言えるはずもなく、ただいないはずの光の話を肩を狭めて聞いていた。
「で、どこにいるんだよ」
一通り怒り終わった光が落ち着きを取り戻して言った。
「えーと、公園?」
「あ?」
ヒィッ
こ、怖い…
「はぁー」
かと思えば長い溜息。
「なんでそんなとこいんだよ」
「散歩?」
「あぁ?」
ヒィッ!!
「ごめんなさい」
「…ちょっと待ってろ」
それだけ言った光は私の返事を聞かずに通話を切った。
これは……帰った後も説教決まりだな。
私は肩を落とした。