夢色約束
「失礼しました」

ノートの山を抱えて職員室を出る。

資料室までか・・・きついな。

自分に活を入れ、階段を上がる。

フラつく体でなんとか体制を保ちながら3Fまで上がった。

・・・つかれた。

さて、教室に戻ろ。

由羅に心配かけるし・・・


階段を下りようとしたとき、崩れそうになり急いで手摺りに捕まろうとする。

トンッ

誰かの肩にぶつかったのか、体が抵抗することなく前に出た。

あ、やばい・・・

冷静に、そう思った。

『あ、すいません』

なんて声が遠くで聞こえる。

『大丈夫です』

なんて、言える状況ではなかった。

ぶつかったのであろう男の子が私を見て目を見開く。

世界がスローモーションのようにゆっくりと流れた。

真っ逆さまになって、体に激痛が走る。

そして、そのまま目の前が真っ暗になって私は、周りの声といつもの温もりを感じながら意識を手放した。
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