夢色約束
「張ってない!」


「ふーん、まいいか。店員呼ぶぞ」

呼ぼうとしたとき…


「ご注文はお決まりですか~?」

キャピキャピした店員さんが尋ねてきた。

まだ、呼んでない…。


「は、はぁ…」

いや、光もびっくりしてるし。

返事がおかしなことになってる…


「イチゴパフェとアイスコーヒーください」

ちょっとだけイラッとした私は満面の笑みで言った。


「かしこまりました~」

そういいながらも店員さんの顔は光に向いていた。


「…」

光、引いてるし…

そんな光に気付くこともなく店員さんは戻っていった。


「ここって…」

光?


「店員が自動で来る仕組みなのか?」

真剣にそんなことを考えている光。


「どうだろうね…」

私はそうとしか返せなかった。

違うと思うよ、光。

あなたが見られてたからだと思うよ。

てか、今でもだいぶ見られてるよ。

他の店員さんたちも光の注文狙ってるよ。

なんて、言えるはずもなかった。
< 119 / 261 >

この作品をシェア

pagetop