夢色約束
「てか、香里奈」


「なに、」

ちょっと不機嫌にかえす。


「選べ」

そんなことを気にしていないような光は言った。


「なにを!?」


「バカか。ネックレスのコーナーでそれ以外になに選ぶんだよ」

それもそうか。

てか、なんで私が・・・


「早く」

隣で急かしてくる光。


「ちょ、待って」

光が言ったんだからちゃんと選ばせてよね!!


「これは?」

握っていた手をすこし引いて光が私に言ってきた。


「どれ?」


「これ」

光が選んだのは小さなハートがトップになっているネックレス。

可愛い・・・

ついてるのは、ダイヤかな?


「いや、でもこれ・・・」

値段が・・・

私の言いたいことがわかったのか光が、ため息をついた。


「お嬢様のくせして値段なんか気にしてんのか?」


「関係ないから!!」

お嬢様でも値段くらい気にするわよ、たぶん・・・


「だから、お前はいいんだよ」

呆れているはずの光の顔は妙に優しかった。


< 125 / 261 >

この作品をシェア

pagetop