夢色約束
30分後-


「失礼します」

執事の服に着替えた光が戻ってきた。

あ、そっか。

お父さんに会いに行ったならその服か・・・


「お疲れ様」


「お勉強の方は進みましたか?」


「まあまあかなー」

わからないとこもあったしね・・・


「では、すこし休憩にしてから続きをしましょうか」


「うん!!」

やったー休憩~!!



「お嬢様」


「なに?」

光が、いれてくれた紅茶を飲みながら光を見ると、

真剣な顔をしていた。

思わず紅茶のカップを机の上に戻した。


「どうか、した?」

珍しい光の表情に不安を隠せないまま伺うように聞く。


「頼み事をさせていただいてもよろしいでしょうか」

はじめてというほど珍しい光からの頼みに目を見開く。


「え、ええ。どうしたの」


「2つめの願いです」

2つめ?


「私と、デートをしてください」

・・・は?


「デート?」


「はい、デートです」

デート!?!?!?


「花火大会の間、普通の同級生として振る舞わせて欲しいのです」

光・・・?

光の目は真剣そのもので、私は光の決意を無意識に感じとった。

いやだね、幼なじみって。

わかりたくないことも、わかっちゃうんだから・・・。


「うん、行こう。普通の同級生として。花火大会」


「ありがとうございます」

光が頭を下げる。


「光」

私は頭をあげるように言う代わりに光を呼んだ。


「花火大会、楽しみだね」


「はい」

笑顔で言った私に光も笑顔で返してくれた。
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